ハザードのリストアップ
HACCPのハザードリスト作成の5ステップ
厳密にはHACCPでのハザードリストの作成は以下の5つのステップを段階的に進めていきます。
- 原材料に由来するハザードの列挙
- 製造または加工工程に由来するハザードの列挙
- 列挙されたハザードに対する起こりやすさ、起きた場合の重篤性の評価と重要なハザードの特定
- 重点なハザードに対する発生要因の特定
- 管理手段(防止措置または予防措置)の特定
今回は、SPiCE for HACCPのチュートリアルとして、以下のステップで進める例をご紹介します。
- 原料由来および工程由来のハザード列挙
- 各ハザードの重要ハザード特定と要因の特定
- 管理手段の特定
Tips
衛生管理の経験豊富な方は、工程ごとに進める事もできます。
また、同一工場である程度食材や調理方法に定番の型があるなら、その部品単位で保存する事もできます。
1. 原料由来および工程由来のハザード列挙
まずは食材に由来するハザードをリストアップしていきましょう。
1.1. 原料由来のハザード(熱で対応できる有害微生物)
例として、熱で対応できる有害微生物について、野菜
や豚肉
などの受入工程に、食材に含まれる病原微生物
をリストアップしてみました。
1.2. 原料由来のハザード(熱だけで対応できない耐熱芽胞菌)
例として、加熱しても死滅しない耐熱芽胞菌をリストアップした例は以下の通りです。
1.3. 原料固有の化学的要因
カレーでよく使うじゃがいもには、固有のソラニンという化学物質が含まれます。
その場合は、生物的な要因ではなく、化学的な要因として記載しましょう。
1.3 工程由来のハザード列挙
カットや下処理段階で病原微生物の増殖も危害要因として考えられます。これらは作業手順の遵守などで対応することが多いです。
一方で、ミキサーなどの設備を使う工程では金属片が混入するなど、物理的ハザードを検討することが求められます。
2. 各ハザードの重要ハザード特定と要因の特定
これまで列挙したハザードについて、「起こりやすさ」と「重篤性」の2つの面で、重点ハザードに対して、重点ハザードとして有効にしてください。
また、それぞれの判断の根拠を記載してください。(重点ではないハザードも根拠を記入しましょう。)
3. 管理手段の特定
つづけて、重点ハザードについては、科学的根拠のある管理手段を記載します。
そして、その工程では対応できない対策については、次のCCPの決定に大きく関わってきます。